アコースティックギター製作家 杉田健司とそのスタッフによるギター製作やリペア作業の様子を紹介

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Dolphin I


久しぶりに Dolphin I を作っている。まあ、投稿自体かなり長い間していなかったが、休業している訳ではなくずっとバックオーダー分を作っている。
そんなところに一作目の Dolphin I がリペアで工房に来ている。糸巻きが壊れたとのことだが、この当時の糸巻きは現在入手できないためSUGITA KENJI オリジナルペグに交換することになった。
今作っているものと一作目を見比べると同じモデルだが色々違う。どちらのギターも良いとは思うが、ずいぶん違う。 ま、「確かこんな感じだったよなあ~」って言いながら作っているから、「こんなんじゃなかった!!」って怒られちゃうかな?でも10年以上前のモデルをそのまま作るなんてできない。なぜなら僕は今も製作を続け、進化し続けている(・・と思う)から。センスもテクニックも変わっていく中でいま納得できるものを作ろうと思う。それがオーダーしていただく方の期待するところじゃないかな。

スマホからやってみました


僕のもうひとつの仕事、大日小屋が始まって大忙しです。山中からブログの投稿ができれば便利だなあと思い、先ずはこっちから。

リフレット中です。ネックの状態はハイフレットが落ちており、このままではハイポジションが高くなってしまうので最後4フレット位からだんだん高くなっています。とても手間がかかります。

リフレット

Dolphin II SJ
ここのところこの世界で有名なギタリストのリフレットを立て続けに数本やっていた。んー、やっぱいちばん重要やしなあ。
過去にも書いていたと思うけれど、僕の使っているフレットは溝の中に入っている部分が0.03mm刻みで厚みの違うフレットを特注で作って使っている。上の写真は打った直後。フレットの色が違うのは違う厚みの物が入っているのですが、識別できるように色分けしてあります。(このあと磨けば普通のフレットの色になります)ネックの状態を見て逆反りがきつい辺りは緩く、順反りがきつい辺りはきついフレットを打つ事によって指板の削る量を最小限にしつつ適正な状態にします。そして、すり合わせは平らなファイルで全体をガーッて削りません。精密に測定して、どうしても少し飛び出るところだけを凹面のヤスリですり合わせます。写真で色が残っているところは全く触らずにレベルが合っています。
エッジ処理
で、エッジの処理。手間が掛かりますが、徹底的に丸く仕上げます。削り過ぎると弦落ちし易くなってしまうので注意が必要です。さらにフレットの先端は僅かに指板のエッジより内側に入っています。こうしておかないとほんの僅かでも指板が縮んでも手にザラつきを感じてしまうからです。指板自体のエッジもほんの少し丸く落としています。角が立っているとあまり心地良く無いと思います。
ヘッド側から
重要なのはエッジの通り具合じゃなくてフレットの頭の通り具合なのだけど、エッジも綺麗に揃うと気持ち良いです。でも難し~

年末

あと一日で激動の2011年も終わりかぁ。今年は仕事でも激しい事例が多かった気がするなあ。中でもこれが変ってたかなあ。この製作家のギターでボルトオンは無いと聞いていたけれど、そして多くのリペアをしてきたけれど初めてこの製作家のギターでボルトオンの物に出会った。で、症状は12フレットの継ぎ目からネックがちぎれてしまっている。んー困った。この辺一帯を別ピースを移植してつなげました。インレイの下の方に少し継ぎ目が見えます。その後具合はいかがでしょうか?

ベース修理

緊急修理
ちょっと前のことだったけれど久しぶりのベース修理。大型楽器の大型案件で、裏板はずしてボディの歪を(それなりに)直してブレーシング着け直してネック角直して裏板再接着&組み立てセッティング。写真は力木を着けているところ。ギターならば専用の台を作ってリボン鋼製のツーボ(最近はゴーバーって言うらしいけど)で着けるけれどこんな大物は天井で突っ張らせるしか無いなあ。普通の天井は弱くてこんなことできないけれどうちの天井は床並にしっかりしていて良かった!!山小屋が忙しい時期でしかも猛暑のなかで実働3~4日ほどはハードだったなあ。このベースのピックアップは15年程前に製作したものだった。いまでは殆どアコースティックギターの仕事だけれど昔はこんなこともやっていたっけ。

もうひとつのGのリペア

あまがえる

もうひとつ人気のGだ。というか土地柄のせいか地元の修理ではよくお目にかかる大工事のパターンだ。しかし凄い色だなあ。わからん!ダブテイルジョイントで且つネジがヒールに埋め込まれていた。これはボルトオンなのか?セットネックなのか???

Gのリペア

ネックこうかん

ネックを交換した。インレイと彫刻がこのお方の十八番でなかなか真似できない。幸いこのギターには彫刻が入っていなかったのでヘッドプレートを移植して、指板はフレットの位置がずれているので作り変えた。今年はこの製作家のギターをかなりの数をリペアした。もしかして自分が今年作ったギターの数より多くないか?多い月は家に6~7本は有ったなあ。

しかし・・・かなり乱暴な作りだということは誰もが言う。僕もそりゃそう思わない訳はない。けど、(ちゃんとセッティングされた状態で)弾いてみるとやはり関心させられるなあ。あ、そうだポジションマークを入れ忘れてる。このあと入れて無事納品となったのでした。 続きを読む …

グレッチのカスタマイズ

入るのだろうか?

 

テールピースをマスキングしてあるのが手ぇ怪我してギブスしてるみたいで痛々しい。グレッチの魂柱を交換してほしいという依頼で、手前Fホールの上にあるカニパンみたいなブロックを入れる。昔のはこうだったらしい・・知らん。一応ぼくはアコースティックギター専門なので詳しいことは知りませんが、なんだかグレッチの修理はよく来るなあ。ネックリセット、ネック交換、指板交換・・・他いろいろ。随分前にボディ厚を薄くしてほしいということで大胆にのこぎりでブッタ切ったこともあったなあ。

話はもどるけどこのカニパンみたいなブロック。FホールよりPUの穴より断然でかいじゃないか!分解して入れて中で組み立てるのだろうか?小人の家をつくるみたいな話じゃないか。できるか!・・・・

 

ムムム・・・・

 

入った!


         ・・・・できた! 

写真の下に青い線が入るのは何だろう?