アコースティックギター製作家 杉田健司とそのスタッフによるギター製作やリペア作業の様子を紹介

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フレット

物を作るうえで大切な事とは何か?その1つには「いかに使う人に優しいか」と思っています。SUGITA KENJI Acoustic Guitars ではフレット端の処理に細心の注意を払っています。ひたすら丸く滑らかに、それでいて滑らかに落としすぎて弦落ちしやすくなってはいけない。地味で且つ重要なポイントであります。

工場製によく見られるような斜めにカットしただけで手が切れそうなギターでは楽しくないですよね。ギターを弾いていて一番触る部分はネックなんだから注意する優先順位も一番ではないだろうか?

やすりたち

使っているやすりです。左から順に使って仕上げて行きますが、最初のふたつはフレットを丸めるように内丸になった専用やすりです。これで斜めにカットしたフレットの角を取って終わりのギターをよく見かけます・・・。

あとの三本は普通のやすりをこの作業のための特別な調整をして使っていて、ここからが重要なところで腕の見せ所ですが実際は見た目地味な作業です。

爪はきれいにしとこう

フレットが赤やら青になっていることについてはまたいつか。 徹底的に丸く滑らかに仕上げていきます。やりすぎて弦落ちしてもいけないし、全フレットが一直線になるように均一に丸めないとみっともない仕上がりになってしまいます。(ここがいちばん難しい)トップにかかる部分(14Fから上)は一歩間違えたら鑢がトップを突き刺して一巻の終わりとなりますが、板等でトップを保護しません。このスリルがたまらない!と言うか緊張感を持って作業することで技術力を維持している面もあります。もちろん失敗したくないけど命に関わる問題でもないし絶対安全を重視しすぎてもいかん気がするのです。子供が初めて自転車に乗るとき補助輪をつけますね。これをいつまでもはずさなければ絶対ころばないかもしれないけれど軽快ではないですよね。そんなことかなあ?と思っています。

丸坊主

仕上がりました。先の写真からここまでのたくさんの地味な工程は長くなるので省いてあります。いつかやります。

豪華なインレイに時間を費やすより、こんなところにこそ拘ってギターを作りたいと思っています。

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杉田さん!すごいっす(^^
お久しぶりです…フレットの処理は凄いと思っていましたが、ハイフレットの処理時にあえて保護しないとは…人にやさしく自分に厳しく..正に職人の鑑ですね(^^
私のCarreraDは相変わらず素晴らしい音色で私を癒してくれていますが、プレイアビリティも最高です!
常にプレイヤーのための視点で取り組まれている姿勢に敬意を表します。
追伸:大先輩から入荷したばかりのNougat(マホ)を「思わず購入しちゃった..」したとの連絡があり、昨日お伺いして弾かせていただきました。
素晴らしい出来ですね! 鳴り・音色・プレイアビリティ・デザイン…トータルに完成度高すぎです。まだ1週間たっていませんので、今後の進化が末恐ろしいです。ちょっと悔しいので、嫁さんにオーダーして良いか相談中(爆)

松浦さま
コメントいただいていたのを見逃してしまっていました。
Nougat良いですよ!!価格帯もCarreraと比べるとかなりお求め安いですが、決して格落ちではなくスギタケンジブランドとは違った方向性の楽器をめざして作っています。
・・って、ここはスギタケンジのサイト。スギクラフトのアピールばっかりになってしまいました。

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