アコースティックギター製作家 杉田健司とそのスタッフによるギター製作やリペア作業の様子を紹介

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トラスロッドのリペア

年内にはかたずけたいなあ杉田です。
2000年に作ったギターのトラスロッドが原因でトラブルが起きた。写真は最新のベータチタン製を入れたところだけど、なにぶん見えているところが普通のナット部分だけだから良く解らないじゃないか!
ところでこれはリペア代は頂かない。実際はトラスロッドを廻し過ぎとも言えるし、この頃使っていた市販品のトラスロッド自体にも問題があるとは思うのだが、それを選択して使ったのは自分自身で、その責任はある。7年前の物だしファーストオーナーかどうかも知らないが僕にとってはそんなの関係ネー(ハイ オパピー)

ユーザーの過失かどうかで争いになった話もよく聞くし、リペアしていて「これはメーカーに言うべきじゃないか?」と思う事もかなりある。リペアマンや製作家ならばトラブルの起きたギターを見ればそのギターがどんな環境にあったか、なぜその症状が起きたのか99%は解るであろう。そんな時、製作家はどう対処すべきだろうか?
どっかの製作家が自身を「神に限りなく近い存在」のような発言をしたとか・・
僕はただの「工作オタク」だ。良い物ができたりすると ムフフと思う変なヤツなのだ。天才でも無いから失敗もする。過去に自分が作った物の至らなかった点は何としてでも直さなければ自分の気持ちが収まらないのだ。

今日、実はもう一台トラスロッドの交換作業をやった。海外の手工系の物だ。指板をはずしてトラスロッドを取り出しておどろいた。僕の見解では素材の選択、構造が明らかに間違っていた。このメーカーがこのトラスロッドを使い続けたら絶対クレームの嵐だと思い、日本の総代理店に連絡をした。おせっかいな話である。担当者はとても真摯に僕の話を聞いてくれてすぐにメーカーに連絡を取ったようだ。
代理店に連絡したのも実は恐る恐るだった。というのは半年程前、付属品で使っていたケースが構造上の不具合でギターに凹みキズができる場合があることに気がついて連絡をしたのだが電話の向うの人は全く聞いていない様子で、当然現在もそのケースは変わらぬままのようだ。僕としてはギターのキズは直せば済む話で責任追及する気は全く無く、ブランドにキズがついたら困るだろうと思ったから言ったつもりだったがただのクレーマーと思われていたのかなあ?
僕は業界の人たちが気づいた事があったら「君、このやり方アカンでー」「ホンマ?教えてくれてありがとう」と言い合える環境にあるべきだと思うのだけどなあ。

ベータチタントラスロッドを埋めましたていう証拠を撮っておけば良かったですねぇ・・・現行のトラスロッドは軽くて剛性が高く、その上弾性に富んでいて本当に素晴らしいです。タツタさんにも感謝します。

師匠が言うように、メーカーは自社が作ったモノに対して責任を持たなければいけないと思う。ギターとは関係ないですが、ニュースを見ているとメーカーのクレーム隠しや、例えばここ数年、消費期限やブランド名の改ざんなど食品業界の不祥事が目立ちます。利益ばかり追求しようとして、製品または商品に対する責任感に欠ける。うちがつくったモノは素晴らしいのだというプライドはないのだろうか?その点、松下電器はFF式石油暖房機に対してTVCMや広告など莫大なお金をかけて責任をとろうとしている。手放しでほめるまではいかないにしても、日本を代表する大企業として素晴らしいと思う。

ちょっとずれましたが、僕も自分のやった仕事に対して誇れる、そして責任のとれる職人になりたいと思っています。技術的にはまだまだですけどね・・・

いつもお世話になります。
トラスロッドのトラブルは怖いですね。責任あるものを作らなければと、再確認しました。

この夏、大日小屋のシャープ製の洗濯機がリコールになったが、シャープはヘリコプターの運送費を支払ってまで交換していった。これも立派だったなあ。
嘘はイカンけど消費期限とかって微妙だなあ。期限切れだからと廃棄している一方でまともに食べられない人々もいる。保健所の指導をみると自分たち役人に火の粉がかからないための予防線としか思えないんだなあ。
確かな仕事をしていくためには拡大路線を第一に考えてはいけないだろう。我々はまだまだ未熟だ。必ずどこかに落ち度はある。何かのきっかけで人気が爆発したからと言って調子にのっていてもその職種に見合った必要な「体力」が備わっていないままだとやがてそのツケはまわってくる。オギの言う松下電器はその「体力」がいろんな意味であるのだろうなあ。
人気がでた今しか稼ぎ時は無いと割り切って稼ぎまくる芸人ならまだしも、我々は後世に残る(かもしれない)物を作ろうとしているのだから。
かといってあまりにも寡作なのも問題なので、バランスが大事なんだろうなあ。

タツタさん。この修理品も明日には完成しますがトラスロッドはとてもスムーズにまわり、効きもとても良いですよ。

前略 杉田様
この記事にて 読んで思いあたたった事があります。初めて、アメリカ 某 新興メイカーのギター(今はやりのメイカーです。)買いました。買って1ヶ月しないうちに、ブリッジが1-2mmほど、はがれ メイカーに苦情の連絡。すると、それは、湿度管理が悪いと、言われ、直せばいいでしょ。という返事。私も かれこれ30~40本 安いアコギ所有していますが、まずそんなことになったことはなく、 新品の、それも10数万するアコギでそのような対応はびっくりでした。最初の電子メール での返事では、すまない、の言葉も ありませんでした。そこのカタログでは、大層な、美辞麗句がならべられており、高品質のうたい文句が、ならべてありました。メイカーの責任のあり方(アメリカンな態度、、?)に 少々、げんなりでした。大部分のギターカンパニーの製品に対する志とは、そんなものなのでしょうか。

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